2011年 12月 13日
「2核1モール型」考察_<イオンモール>と<ららぽーと> |
今回のリサーチは日本の代表的な大型SCである「イオンモール」と「三井ショッピングパークららぽーと」を対象に事例収集、分析を行いました。
「AEON MALL」
イオングループの「イオンモール株式会社」が開発・運営する大規模ショッピングセンター。アンカーテナントとしてイオン(旧:ジャスコ、旧:サティ)、サブアンカーに家電量販店等の大型専門店、百貨店、シネマコンプレックスを配置し、両核を100店以上の専門店で結ぶ典型的な「2核1モール」をベースに展開する「RSCリージョナル型(広域商圏型)」のショッピングモールである。
「敷地面積10万m²以上」、「商業施設面積6万m²以上」、「駐車台数3,500台以上」(基本的に地下階なし、地上3階以下、屋上駐車場)を規格として設け、郊外、準郊外に展開。店舗数は国内で50を越え、海外には中国に2店舗をかまえる。計画は非常にシンプルで、デパート再開発型を除けば、「イオンモール形式」が確立され近年の事例においても依然として踏襲され続けている。
「イオンモール」の典型的なプラン。2核1モールだが各テナントであるイオンの利便性を高める動線計画。中央にフードコートorシネコンがつく。全国50全てのプランを並列して見てみると、テナント配置などのセオリーがあることに気づく。
「三井ショッピングパーク ららぽーと」
三井不動産の子会社「ららぽーとマネジメント株式会社」が運営する複合型大型ショッピングセンターで1981年の「ららぽーと船橋ショッピングセンター」(ららぽーとTOKYO-BAY)開発を発端に現在全国で8店舗展開している。イオンモールにおけるプロトタイプといったものはなく、その立地も都市型、郊外型と様々である。
イオンモールと比較すると、プランの類型化は難しくなり、2核型よりは1核+サブ核型が多く見られる。また時間消費型モールとして、外部環境や消費目的以外のスペースも積極的に設けており、いわゆるダンベル型モールとはちがったメソッドが事例ごとに見られる。
▲プランはフラッグシップとなった「ららぽーとTOKYOBAY」
当初は2核1モールであったが、アンカーテナントの撤退、数回の増築、リニューアルを経て現在はサブ核のみでインドアモールとオープンエアモールを並列させた複雑なものとなっている。
「ららぽーと」では全般的にイオンモールに比べて核に頼らない商業施設を思考していると推察される。海外の事例ではアンカーテナントの撤退により施設全体の商業価値がさがりデッドモールとなっているケースが見られる。
2核1モール形式は一つの理想的なプランではあるが、施設全体のアンカーテナントの役割が他のモール形式に比べても大きいため(アンカーという考え方はどの形式でも重要な要素であることは間違いないが)景気の動向やアンカーテナント自体の業績不振などでモールからの撤退という自体になると、そのモール自体の構成が崩れ、大きく商業価値を下げる原因となりうる危険性を孕んでいる。
中国・日本人設計事務所、商業施設、創意園の設計-上海万谷建築設計-
「AEON MALL」
イオングループの「イオンモール株式会社」が開発・運営する大規模ショッピングセンター。アンカーテナントとしてイオン(旧:ジャスコ、旧:サティ)、サブアンカーに家電量販店等の大型専門店、百貨店、シネマコンプレックスを配置し、両核を100店以上の専門店で結ぶ典型的な「2核1モール」をベースに展開する「RSCリージョナル型(広域商圏型)」のショッピングモールである。
「敷地面積10万m²以上」、「商業施設面積6万m²以上」、「駐車台数3,500台以上」(基本的に地下階なし、地上3階以下、屋上駐車場)を規格として設け、郊外、準郊外に展開。店舗数は国内で50を越え、海外には中国に2店舗をかまえる。計画は非常にシンプルで、デパート再開発型を除けば、「イオンモール形式」が確立され近年の事例においても依然として踏襲され続けている。
「イオンモール」の典型的なプラン。2核1モールだが各テナントであるイオンの利便性を高める動線計画。中央にフードコートorシネコンがつく。全国50全てのプランを並列して見てみると、テナント配置などのセオリーがあることに気づく。
「三井ショッピングパーク ららぽーと」
三井不動産の子会社「ららぽーとマネジメント株式会社」が運営する複合型大型ショッピングセンターで1981年の「ららぽーと船橋ショッピングセンター」(ららぽーとTOKYO-BAY)開発を発端に現在全国で8店舗展開している。イオンモールにおけるプロトタイプといったものはなく、その立地も都市型、郊外型と様々である。
イオンモールと比較すると、プランの類型化は難しくなり、2核型よりは1核+サブ核型が多く見られる。また時間消費型モールとして、外部環境や消費目的以外のスペースも積極的に設けており、いわゆるダンベル型モールとはちがったメソッドが事例ごとに見られる。
▲プランはフラッグシップとなった「ららぽーとTOKYOBAY」
当初は2核1モールであったが、アンカーテナントの撤退、数回の増築、リニューアルを経て現在はサブ核のみでインドアモールとオープンエアモールを並列させた複雑なものとなっている。
「ららぽーと」では全般的にイオンモールに比べて核に頼らない商業施設を思考していると推察される。海外の事例ではアンカーテナントの撤退により施設全体の商業価値がさがりデッドモールとなっているケースが見られる。
2核1モール形式は一つの理想的なプランではあるが、施設全体のアンカーテナントの役割が他のモール形式に比べても大きいため(アンカーという考え方はどの形式でも重要な要素であることは間違いないが)景気の動向やアンカーテナント自体の業績不振などでモールからの撤退という自体になると、そのモール自体の構成が崩れ、大きく商業価値を下げる原因となりうる危険性を孕んでいる。
中国・日本人設計事務所、商業施設、創意園の設計-上海万谷建築設計-
by k-m-studio
| 2011-12-13 11:40
| リサーチ・調査